青森県近代文学館
The Museum of Modern Aomori Literature

 佐々木千之 1902-1989

  明治35年5月、札幌で誕生。弘前生まれで御料局技師を務めていた父の転勤により、少年時代を青森市で過ごした。
  大正13年「新潮」の記者となり、同郷の先輩として注目していた葛西善蔵のもとに出入りするようになる。大正14年『憂鬱なる河 第一巻 北国』を新潮社から刊行。この作品には、少年期を過ごした青森が主要な舞台として描かれている。
  大正15年、作家として立つことを決意し、新潮社を退社。昭和3年6月、田村文雄らとともに「文藝王国」を創刊。誌名は善蔵の命名によるものであった。7月23日の善蔵の逝去を受けて9月には「文藝王国」葛西善蔵追悼号を発行した。
  昭和7年から14年まで小学館に勤務。戦時中は防空協会に勤めるかたわら『和井内貞行』や『間宮林蔵』など伝記作品を多く手掛けた。昭和18年「故人の偽らざる晩年を描くこと」を念願として『葛西善蔵』を刊行。戦後は大衆雑誌「ラッキー」の発行に携わるが、昭和25年12月に脳梗塞を発症。以後、療養生活に入るが、左手で筆を取り随筆回覧誌の発行や俳句制作に勤しみ、文学的な営為を放棄することはなかった。
  昭和58年には『葛西善蔵』が再刊を見、61年には『句集 群青』を刊行した。平成元年3月、86歳で逝去。



 
〈展示中の雑誌〉
雑誌名 巻号刊行年月発行所
「文藝王国」創刊号昭和3年6月文藝王国社 
「文藝王国」第1巻第6号昭和3年11月文藝王国社
「文藝王国」第2巻第2号昭和4年2月文藝王国社 
佐々木千之略年譜



 
〈展示中の図書〉
著者名 タイトル刊行年月発行所
佐佐木千之『憂鬱なる河 第一巻 北国』大正14年9月新潮社刊 
佐佐木千之『憂鬱なる河 第二巻 苦悩の街』大正15年10月新潮社刊
佐佐木千之『間宮林蔵』昭和15年9月至玄社刊 
佐佐木千之『和井内貞行』昭和17年2月日本出版社刊
佐佐木千之『間宮林蔵』昭和17年2月三省堂刊
佐佐木千之『知性の春』昭和17年4月牧書房刊
佐佐木千之『熊本籠城』昭和17年5月大果書房刊
佐佐木千之『十和田湖の開発者 和井内貞行』昭和17年7月三省堂刊
佐佐木千之『葛西善蔵』昭和18年6月学藝社刊 
佐佐木千之『北門の楯』昭和18年7月金星堂刊
佐佐木千之『競馬放浪記』昭和21年12月グラフ社刊
佐佐木千之『弥次喜多膝栗毛』昭和22年10月家庭社刊 
佐佐木千之『ひめます』昭和23年7月時代社刊 
佐々木千之『葛西善蔵』昭和58年3月エイジ出版刊