毛利 香奈子/著 -- 武蔵野書院 -- 2022.1 -- 913.41

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所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
県立 B15B 主配架/913.41/モウリ*カ/ 10218112300 一般図書 書架 iLisvirtual

資料詳細

タイトル いはでしのぶ物語の研究
副書名 王朝物語文学の終焉
著者 毛利 香奈子 /著  
出版者 武蔵野書院
出版年 2022.1
ページ数 10,298,9p
大きさ 22cm
一般件名 いはでしのぶ
NDC分類(10版) 913.41
内容紹介 後嵯峨院時代に作られたとされる「いはでしのぶ物語」を精査。「似ること」と「見ること」の関係、「手紙」や「音楽」、物語の中心人物「一品宮」について考察し、「いはでしのぶ」という物語のなんたるかを問う。
ISBN 4-8386-0764-8
ISBN13桁 978-4-8386-0764-8

目次

序章
  一 中世王朝物語『いはでしのぶ』について
  二 『いはでしのぶ』研究史概要
  三 『いはでしのぶ』各巻の概要
  四 本書の概要
第一部 見ること、似ること
第一章 一品宮-物語世界の座標
  一 「碁」と「氷」の場面
  二 「碁」の空間-碁盤を囲む人々の関係性
  三 「見証役」という資格-見比べの空間
  四 「氷」の空間-同化する「氷」と女君
  五 「美の基準」としての一品宮-「碁」と「氷」を超えて
  六 絶対的な「相似の基準」へ
第二章 二位中将-再現する者
  一 物語における「似ること」
  二 二位中将の「似ること」-「たぐふ」もの
  三 「見ること」と経験の共有-共感から同化へ
  四 なぞり、写し取ること-深まる同化
  五 劣化を伴う再現-生の交換としての「似ること」
  六 作られる「似ること」
第三章 右大将-「似ること」からの脱出
  一 波及する「似ること」
  二 右大将の「似ること」
  三 矛盾を孕む相似-「似ること」を忌避する
  四 似られない右大将-不完全な後継者
  五 孤独からの救済-「似ること」に依らない縁
  六 「一品宮中心世界」の輪郭
第二部 手紙
第一章 二位中将-手紙と「仲だち」
  一 物語における手紙
  二 「まこと」と「いつはり」-内大臣と一品宮の手紙
  三 手紙と噂-意思疎通の機能不全
  四 共感する存在-二位中将
  五 「仲だち」としての二位中将
第二章 現実を作る噂-沈められた欲望
  一 引き金としての「噂」
  二 一品宮にまつわる噂
  三 実事なき噂-『狭衣物語』巻三との比較から
  四 つくられる現実-降嫁と離別
  五 沈められた過去と欲望
  六 不確かな声、その影響力
第三章 右大将-筋書きの選択と手習
  一 三つの手習/手紙
  二 手習の発見-暖昧な物思い
  三 創出される贈答
  四 生き方の選択-左大将への反発、宰相中将への共感
  五 遁世という救済-右大将物語の「まこと」の行方
  六 ふたつの物語世界
第三部 音楽
第一章 琴の琴-一品宮との「合はせ」
  一 物語における琴の琴
  二 『いはでしのぶ』の音楽
  三 一品宮の衿持と琴-端午の節句の御遊
  四 内大臣の一の才-嵯峨帝の御遊
  五 一品宮との「合はせ」-一条院の御遊
  六 融合するふたつの琴-白河院六十賀の御遊
第二章 右大将の笛-異分子の音
  一 物語における笛
  二 「音の限り」-奏法の相伝
  三 驚かせる音-異分子の音色
  四 持ち主の行方-笛の相伝
  五 異分子の鎮魂-笛の奏法の相伝
第四部 一品宮
第一章 一品宮の降嫁-皇女の傷と回復
  一 二人の一品宮
  二 排斥された男君の反乱
  三 聖女一品宮の傷-物語世界からの退場と復活
  四 一品宮の居場所-受容するという強さ
  五 狭衣大将から一品宮へ
第二章 連関する密通-もたらされる赦し
  一 物語における密通
  二 男君の病と死-柏木・内大臣
  三 皇女との密通-柏木の「咎」の行方
  四 賛美される子供と赦し-二位中将と一品宮腹若君
  五 闇に葬られる罪-女一の宮と女四の宮腹若君
  六 皇女の復活-「つゆの乱れ」の平定
  七 回復を志向する物語
補遺 『いはでしのぶ』前後
第一章 「まもる」が見出す縁と絆-『源氏物語』を起点として
  一 仮名文字テキストにおける「まもる」
  二 『源氏物語』における「まもる」
  三 「まもる」が見出すつながり
  四 『源氏物語』以降の「まもる」
  五 長編物語の一手法として
第二章 雛屋の中の報復-『恋路ゆかしき大将』
  一 恋路の形成と親世代
  二 恋の「しるべ」となる報復-恋路大将
  三 「雛屋」の中のふたり-恋路大将と女二の宮
  四 恋路大将の影響力
  五 群集する「虫」-「同じさま」になる男君たち
  六 報復の道具として-玉光るの望み
  七 もうひとつの『いはでしのぶ』
終章