小野 文生/著 -- 東京大学出版会 -- 2022.9 -- 104

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所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
県立 B08A 主配架/104/オノ*フ/ 10218253500 一般図書 書架 iLisvirtual

資料詳細

タイトル <非在>のエティカ
副書名 ただ生きることの歓待の哲学
著者 小野 文生 /著  
出版者 東京大学出版会
出版年 2022.9
ページ数 24,350,30p
大きさ 22cm
一般件名 哲学
NDC分類(10版) 104
内容紹介 「存在か無か」の図式のかげにとり残されてきた<非在>の居場所をまなざし、「ともにある」ために、哲学にはなにが必要で、なにが可能なのか。人間であることの歓びとかなしみを根源的に問う。
ISBN 4-13-051363-0
ISBN13桁 978-4-13-051363-0

目次

序章 思考のはじまりの痕跡
  第一節 <かなしみの知>と<知のかなしみ>
  第二節 知と経験のむすぼれ
  第三節 思考することと生きること
  第四節 本書の問題構成
第Ⅰ部 人間的なるものの在り処-<非在>の思想的水脈
第1章 コモン・センスとしての応答的理性
  はじめに 「人間的なるもの」
  第一節 官僚制の両義性と人権の逆説的無根拠性
  第二節 啓蒙の極点へのまなざし
  第三節 行為と知のあいだの裂け目と悲劇
  第四節 真理と意味、あるいは科学と政治
  第五節 人格/人称性のはじまり
  第六節 人間の無力さ・弱さ・苦境
  第七節 赦しと約束
  第八節 知のパトス
第2章 ただ生きること、あるいは<非在>の歓待
  はじめに 「ただ生きること」をめぐって
  第一節 「剝き出しの生」という例外化装置
  第二節 インファンティアと言語活動
  第三節 <非の潜勢力>、あるいは到来する<非在>の迎え入れ
  第四節 「被ること」とそれ自体への贈与
  第五節 なんであれかまわないもの
  おわりに 鈍感(ア・パテイア)の飽和した世界で
第3章 ホショウ科学時代におけるパティ・マトス
  はじめに
  第一節 モデルネへの問い
  第二節 様態とリズム
  第三節 <非の潜勢力>と使用という<生の形式>
  第四節 パテイ・マトス(受苦をとおして学ぶこと)の経験
  第五節 成熟する主体と認識を増殖させる主体
  第六節 経験と科学
  第七節 ホショウ科学時代における経験
  おわりに
第4章 審問されるコナトゥス、エティカの行方
  はじめに 係争のコナトゥス
  第一節 自己保存的理性(アドルノ/ホルクハイマー)
  第二節 コナトゥスとは逆向きの解体(レヴィナス)
  第三節 傷つけて癒すもの、あるいは凸面から凹面への転換
  第四節 *seへの解放
  第五節 レヴィナスを読むアガンベン
  第六節 逃走というエティカ
  第七節 コナトゥスにはらまれた二つの力
  おわりに 「人間的なるもの」の希望
第Ⅱ部 <かなしみの知>と<知のかなしみ>のほとりから-弱さとともに生きること
第5章 <非在>のエティカの生起する場所
  はじめに パトスの記憶誌
  第一節 孤独な魂のさまよい
  第二節 絶対孤独が生み出す関係性
  第三節 救うものと救われるものの相互照応
  第四節 加害者への憐憫の情
  第五節 対立構図からの転換と赦しの可能性
  第六節 「悶え加勢」から問い直される共同性
  第七節 水俣病における認定問題と潜在性-承認のポリティクス
  第八節 グレイゾーンと向き合う-「存在の現れ」の政治
第6章 悲しみの器と煩悩のケア
  第一節 煩悩の深くして
  第二節 煩悩のケア
  第三節 悲しみの器
  第四節 ともに在ること
第7章 <ひずみの底の未来イメージ>、あるいは弱さの倫理
  はじめに <一九六八年五月>と科学技術の政治性
  第一節 市民の政治と水俣「死民」
  第二節 鶴見俊輔の「大衆」と水俣
  第三節 土法としてのプラグマティズム
  第四節 日常性にもとづく哲学言語の構築
  第五節 科学への態度
  第六節 <ひずみの底の未来イメージ>
  第七節 老いとアンラーニング
  おわりに 弱さの倫理
第8章 「方法としてのアナキズム」考
  はじめに ユートピアとしての漫画的精神
  第一節 鶴見俊輔における漫画的精神の諸相
  第二節 イミタブル・パターン
  第三節 無関心の精神史
  第四節 暮らしの中の反射の貯蔵
  第五節 「【ソウ】札」あるいは身もだえの知
  第六節 技術者の合理性を支柱にして
  おわりに 「方法としてのアナキズム」考
第9章 <知のひと>から<受苦するひと>へ
  第一節 石牟礼と鶴見の出遭い
  第二節 媒介としての田中正造と林竹二
  第三節 コトバの罪、存在する罪
  第四節 ことばの尽き果てるところがらの言伝て
終章 <非在>のエティカ
  はじめに
  第一節 弱さの思想
  第二節 共苦するパトスの行方
  第三節 <非在>の多元的な位相
  第四節 コナトゥスと遊動性のエティカ
  第五節 ただ生きることの歓待と「方法」への目覚め
  おわりに 智慧のちいさな種