藪下 遊/著 -- 筑摩書房 -- 2024.2 -- 371.42

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所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
県立 A03B 主配架/371.42/ヤブシタ*ユ/ 10218382216 一般図書 貸出中 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 「叱らない」が子どもを苦しめる
叢書名 ちくまプリマー新書
著者 藪下 遊 /著, 高坂 康雅 /著  
出版者 筑摩書房
出版年 2024.2
ページ数 280p
大きさ 18cm
一般件名 青少年問題 , スクールカウンセリング
NDC分類(10版) 371.42
内容紹介 「世界から押し返される」経験の減少が「思い通りでないと耐えられない」心を生む。「無理させず休ませる」だけでは、不登校は改善しない。「叱る」こと「押し返す」ことの意義を、事例をあげながら論じる。
ISBN 4-480-68474-5
ISBN13桁 978-4-480-68474-5

目次

はじめに
第1章 子どもの不適応が変わってきた現代
  1 不登校の歴史を振り返る
  まだ説明可能だった不登校/説明ができない不登校の出現/不登校の多様化・あいまい化/不登校はどんな子どもにも起こるが…
  2 「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」はなぜ効果的なのか?
  不登校の子どもたちは強い登校圧力にさらされてきた/「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」という方針について/「学校には行くべき」と反する気持ちを抑え込む子どもたち/抑え込んだ気持ちが悪さをする/「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」という方針の有効性/「学校には行くべき」という価値観の意義とその変化/意味がないというわけではないけれど…
  3 従来のアプローチでは改善しない事例の出現
  従来の不登校支援において大切なこと/従来のアプローチでは改善しない不登校の出現/本書で目指すこと
  コラム 不登校はなぜ増えているのか?
第2章 成長に不可欠な「世界からの押し返し」の不足
  1 思い通りにならないことに耐えられない子どもたち
  「思い通りにならない場面」への強烈な拒否感/「思い通りにならないことを受け容れる」ために必要な経験/不快感を関係性の中で納めていくこと/「世界からの押し返し」が少ない子どもは不適応になりやすい
  2 「世界からの押し返し」になっていない大人の関わり
  「世界からの押し返し」を外注する/子どもの現実を「加工」する/子どもの環境を「操作」する/不快感から目を逸らすための「仲良し」/「押し返し」ができない教師
  3 ネガティブな自分を受け容れられない子どもたち
  私に「[チェックマーク]」を付けないで!/不登校の主因になり得る「ネガティブな自分を認められない」という特徴/学びの前提は「未熟であることへの不全感」/子どもたちが抱く「万能的な自己イメージ」/こころの奥底にある自信の無さ
  4 学校で見られる具体的な不適応パターン
  環境に対して過剰に適応しようとする/他の子どもが叱られているのが怖くて学校に行けない/他者を低く価値づける傾向と絶え間ない自己否定/苦しい状況を「操作」する/子どもの問題を抱えられない親の反応
  コラム 反抗期って必要?
第3章 子どもの「不快」を回避する社会
  1 何が子どもたちの不適応を生み出しているのか?
  本書で「自己愛」という表現を用いない理由/従来の仮説との相違点について/社会背景が子どもたちの不適応を生み出している可能性
  2 子どもを不快にできない社会
  学校が変わることの意味/「要らない不快」と「成長のための不快」/「褒めて伸ばす」が変質してしまっている/「やりたいこと」と「できること」/社会の風潮が学校や家庭に降りてきている
  3 外界と調和することへの拒否感
  「なまはげ」が教えてくれる大切なこと/「外界と調和するつもりがない」いうマインド/個性とは他者との関係の中で滲み出るもの/only oneとone of them
  4 外罰的な風潮の影響
  「恥ずかしい」から「怖い」への推移/他責的なスタイルで生きていくリスク/「自由」と「責任」の連動性を学ぶこと
  コラム それって誰の問題?
第4章 子どもが「ネガティブな自分」を受け容れていくために
  1 「ネガティブな自分」を受け容れる
  支援の目標を考える/「ネガティブな自分」と向き合う/「ネガティブな自分」に向き合わせるための要点/向き合わせることが効果的なのは期間限定である
  2 親子関係をもとにしたアプローチ
  親子関係から始めねばならないが、母屋を壊してはならない/子どもの状態像に対する親の価値観を確かめる/親が子どもの心理的課題を「正しく認識する」ことの価値/支えとしての「甘え」/「甘え」と「甘えではないもの」の弁別が絶対に必要/支えとしての「安全な対話」
  3 本人との「付き合い方」
  カウンセリングに来ることの意義/カウンセリングでの本人との「付き合い方」
  4 学校との関係がこじれやすい家庭への対応
  どんな事例を想定しているのか?/学校とのやり取りで見える特徴的なパターン/学校での対応/経過や予後について
  コラム You MessageとI Message
第5章 予防のための落穂拾い
  1 その他の不適応との関係
  従来の不登校/ゲームにのめり込む/発達障害との弁別/身体症状との関わり
  2 支援の落とし穴と予防について
  見逃しやすい落とし穴/家庭でできる予防の例/学校でできる予防の例
  3 最後に大切なことを
  子どもたちに関わる大人たち/「誰が支援を行うのか」という視点
  コラム スクールカウンセラーは何をしている?
おわりに
引用文献・参考文献