大尾 侑子/著 -- 慶應義塾大学出版会 -- 2022.3 -- 023.1

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所蔵館 所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
県立 C07B 主配架/023.1/オオビ*ユ/ 10218203711 一般図書 書架 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 地下出版のメディア史
副書名 エロ・グロ、珍書屋、教養主義
著者 大尾 侑子 /著  
出版者 慶應義塾大学出版会
出版年 2022.3
ページ数 465,22p
大きさ 22cm
一般件名 出版-日本 , ポルノグラフィー-歴史
NDC分類(9版) 023.1
内容紹介 近代日本の誇る教養主義の「裏通り」とは-。非公刊の軟派出版(性風俗、猟奇、犯罪を取り扱った刊行物)とその版元に注目し、教養主義の言説空間との関係性から捉え返すことで、地下出版界をメディア史的に体系化する。
ISBN 4-7664-2803-2
ISBN13桁 978-4-7664-2803-2

目次

序章 教養主義の「裏通り」
  1 知的上昇と、「エロ・グロ」の交差点
  2 先行研究と本書の立場
  3 用語の定義
  4 分析方法
  5 本書の構成
第一部 地下出版界の前史
第一章 <社会運動>としての自費出版同盟
  1 軟派出版前史
  2 文壇のオルタナティヴを目指す
  3 街頭でのパフォーマンスと超党派性
  4 「自費出版同盟」構想の内実
  5 構想の失敗と、軟派出版への新たな兆し
第二章 文藝市場社の「誕生」
  1 梅原北明という演出者
  2 「赤色」と「桃色」を往還する
  3 朝香屋書店から文藝市場社へ
第三章 「直筆原稿」のメディア論
  1 梅原北明と雑誌『文藝市場』の誕生
  2 雑誌『文藝市場』の創刊
  3 <破棄される原稿>への想像力
  4 アヴァンギャルド芸術と労働争議のなかで
  5 軟派出版界への足掛かり
第二部 地下出版界の成立過程
第四章 <変態>な教養/教養としての<変態>
  1 <変態>という新規財貨
  2 カタログ化される<変態>
  3 「趣味的研究」の系譜と趣味家のエートス
  4 逆立ちした教養主義
  5 水平的な連帯の愉しさ
  6 「反-教化メディア」の教養観
第五章 愛書趣味とオブジェとしての書物
  1 愛書趣味の涵養
  2 伊藤竹酔と軟派出版界
  3 円本と大衆的教養の時代
  4 艶本叢書の登場と予約全集/円本との差異化
  5 「あるべき書物像」の体現
  6 パラテクストを通じた愛書趣味の涵養
第六章 <談奇>の表象と東アジア
  1 東アジアに向かう視線
  2 「上海」へのまなざし
  3 「国際的な一歩」としての上海移転
  4 <談奇>のネットワークと「近代」への応答
  5 「東アジア」に広がる地下出版界
第三部 地下出版界の成熟と瓦解
第七章 「地下出版」の最期
  1 広がりゆく「エロ・グロ・ナンセンス」
  2 軟派出版界に吹く“受難の嵐”
  3 「高級エロ」による「通俗エロ出版」批判
  4 軟派出版史の構築と「正統」化の実践
  5 「地下出版界」の成熟と「場」の瓦解
第八章 「裏道の文化」の行方
  1 戦時下の「梅原北明」を辿る
  2 カストリ雑誌に現れた「斯界の権威」
  3 <アブノーマルの共同体>へ
  4 一九六〇~一九七〇年代、「アングラ」文化に見る足跡
終章 「攪乱」する思想としての地下出版
  1 メディア文化圏としての「高級エロ」出版
  2 軟派出版史を描き出す
  3 「趣味的研究」のネットワーク
  4 本書の可能性と限界
  5 「教養主義の裏通り」の隘路、受け継がれる「好色の魂」