葛西善蔵は1887（明治20）年、弘前松森町（現弘前市）に生まれ、家族とともに北海道や青森町（現青森市）、五所川原村（現五所川原市）を転々とした後、碇ヶ関村（現平川市）で育ちました。青年期には上京と帰郷を繰り返し、1912（大正元）年に同人雑誌「奇蹟」に処女作「哀しき父」を発表。1919（大正8）年には第一創作集『子をつれて』を刊行しました。貧困と病の中で身を削るようにして作品を書き、私小説・心境小説の第一人者として注目され、1928（昭和3）年に41歳で亡くなりました。 生誕130年という節目に当たり、時代を超えて熱烈な愛読者を獲得し続ける葛西善蔵の文学の奥深さに迫ります。

見どころ

1. 「白根山雲の海原夕焼けて妻し思へば胸いたむなり」ほか直筆書幅7本
2. 「父の葬式」「血を吐く」ほか日本近代文学館所蔵の直筆原稿3点
3. 印章、ノート、懐中時計、手鏡、座卓、万年筆ほか愛用の品々
4. 「奇蹟」創刊号や「文藝王國」など稀覯雑誌
5. 『子をつれて』ほか生前の全著作の初版本
6. 「青年」大正13年9月号ほか全集未収録作品掲載誌
7. 棟方志功「哀父頌」4柵ほか葛西善蔵に魅せられた人々に関する資料群
8. 長部日出雄、鎌田慧、伊藤博諸氏の寄稿を得た豪華図録

文学講座1－善蔵忌記念・朗読と講演－

平成29年7月23日（日曜日）13時30分から15時40分

会場：青森県総合社会教育センター大研修室（青森県立図書館となり）

葛西善蔵の現実とロマンを読む

川口浩一（フリーアナウンサー）

葛西善蔵津軽人が駆け抜けた夢

鎌田慧（作家）

文学講座2－映像と講演－

平成29年8月20日（日曜日）10時30分から11時45分

会場：青森県総合社会教育センター大研修室（青森県立図書館となり）

文学ビデオ「一字一拝・葛西善蔵の生涯」

川口浩一（フリーアナウンサー）

孤高の私小説作家・葛西善蔵の文学―「哀しき父」を中心に

伊藤博（早稲田大学/法政大学非常勤講師）

開催に当たって

01　葛西善蔵の詩と真実・・・長部日出雄

02　葛西善蔵の唄・・・鎌田慧

03　孤高の私小説作家・葛西善蔵の文学について・・・伊藤博

04　葛西善蔵小伝一・明治二〇（一八八七）年から明治三七（一九〇四）年

05　葛西善蔵小伝二・明治三八（一九〇五）年から明治四四（一九一一）年

06　葛西善蔵小伝三・明治四五（一九一二）年から大正六（一九一七）年

08　葛西善蔵作品名場面集(1)

09　葛西善蔵小伝四・大正七（一九一八）年から大正一一（一九二二）年

10　私小説・心境小説の第一人者、葛西善蔵

11　葛西善蔵作品名場面集(2)

12　葛西善蔵小伝五・大正一一（一九二二）年から大正一三（一九二四）年

13　葛西善蔵作品名場面集(3)

14　葛西善蔵小伝六・大正一四（一九二五）年から昭和三（一九二八）年

16　葛西善蔵作品名場面集(4)

17　帰郷小感・・・葛西善蔵

18　全集未収録のエッセイ「帰郷小感」について・・・竹浪直人

19　葛西善蔵略年譜及び作品発表年表

27　文学碑・墓碑

28　存命中に刊行された単行本（初版）

29　原稿・遺品

30　葛西善蔵書幅

31　主な出品資料

出品・協力者

『葛西善蔵生誕130年特別展』図録の正誤表(EXCEL:30KB)