図書館業務の開始

1928年~1945年

戦前の青森県立図書館平面図

画像: 『青森県立図書館一覧』(青森県立図書館, 1932)より、青森県立図書館の平面図。

旧東津軽郡役所を改築した木造2階建の建物が竣工し、現在の県庁舎北棟付近で県立図書館としての業務を開始した。

開館当初の蔵書は、青森市立図書館から引き継いだ2,818冊と寄贈(内訳は私立青森簡易図書館841冊、藤田謙一6,091冊、大坂金助1,102冊、長尾健宇1,599冊ほか)分を合わせた約12,500冊。

「市内県庁通り本社前の県立図書館は旧東郡々役所を改築中のところ数日前竣工したので、いよいよ十日から開館し、諸事務を執ることになつた。図書の整理カードの作成等に今月一ぱいを要し、一般閲覧は九月一日からの予定である」(「県立図書館けふ開館」『東奥日報』1928年8月11日夕刊)

石川尋常高等小学校(現在の弘前市立石川小学校)校長から県立図書館の初代司書となった佐藤勝雄は、当時の様子を次のように回想している。

「机と椅子2つを借りて女の出納手と2人で館に納まつた。小使夫婦は前から来て毎日掃除をしていた。電話加設、器具の設備、用品用紙の企画、設備で全く目の廻る程だつた。(中略)布団、蚊帳、食事用具等一通り取揃えてその日から当直した」(佐藤勝雄「図書館回顧(その2)」『三潮』1952年5月号)