開館

1928年~1945年

戦前の青森県立図書館普通閲覧室

画像: 1929(昭和4)年頃の青森県立図書館普通閲覧室の様子(『青森県図書館関係写真集』より)。

利用者は目録を調べて希望する資料の閲覧を申し込み、出納手が資料を書庫から持ってくるのを待つ仕組み(閉架式図書館)で、利用者自身が資料を書架から自由に取り出すことはできなかった。

「書庫から閲覧室に至るところは図書の出納室となり閲覧室に面して出納台が据付けられ、若き乙女が出納に当り挿花の色どりもあつて和かな空気の漂う場所となつたので読書子には喜ばれたものである」(佐藤勝雄「図書館回顧(その2)」『三潮』1952年5月号)

「その頃の図書館では子供は入館できなかつたけれど、今は亡い姉が図書館に勤務していたので、お弁当を届けながらよく行つたものだつた。そんな時に私は出納の金網の内側で窓口から本が出されたり戻されたりするのを大きな椅子にチヨコンと乗りかかつてみていた」(坂本慶子「図書館随想」『三潮』1952年5月号)

なお、館外への貸出は「本県内ニ居住シ特別ノ研究ヲナシツツアル者ニシテ館長適当ト認メタル保証人ヲ附シタル時」(「青森県立図書館規則」1928年 県令第78号)に限り、2冊7日間まで認められた。

館内には、特別閲覧室(定員10)・普通閲覧室(定員96)・婦人閲覧室(定員12)・児童閲覧室(定員40、10歳から11歳まで)・新聞雑誌縦覧室(定員50)のほかに集会室があり、古典・書画の展示や読書会の会場、さらには一食10銭の食堂としても利用された。