日本十進分類法(NDC)採用

1928年~1945年

日本十進分類法

画像: 『日本十進分類法』初版(森清編, 間宮商店, 1929)の標題紙。

青森県立図書館の蔵書を整理するため、当時刊行されたばかりの日本十進分類法(NDC)を採用した。

「図書館の運用には本の整理が大切である。整理には分類表が確りしていなければならない。それ故他館のものを参考にするため先進館へ印刷目録の寄贈を要請したところ各館からはそれぞれ大冊の図書目録が寄せられた。自分はその行為を感謝して閲覧したが、あまりに多様なるに驚いた。『独特のものを!』とも考えたが、しかしそれでよいのか? 思い惑わざるを得なかつた。」

「しかし図書館青年有志によつて組織された青年図書館員連盟という研究団体があつて機関誌として『図書館研究』を出していたが第1巻2、3号に森清氏の発表した試案『和洋図書共用十進分類表案』に接してその優秀な事を感知した。たまたま商用で来館された間宮商店主、同連盟書記長間宮不二雄氏と談じた結果、その試案採用を申入れ、本出版を促した。昭和4年8月25日『日本十進分類法』として第一版が大阪市間宮商店から発行されたが、本館では直ちにこれを採用した。これがN・D・Cの誕生であり、本館はN・D・C採用のNO・1である。森氏は当時間宮商店の一青年店員であつた。N・D・Cの今日の盛況を見ては感慨なきを得ない。発行の前日即ち昭和4年8月24日、編者森氏から『初めて本法を実用に供されたることを感謝しつつ』と自書されて初刊本一冊を寄贈されたが、貴き記念として大切に保存してある。」(佐藤勝雄「図書館回顧(その3)」『三潮』1952年6月号)

日本十進分類法はその後も版を重ね、今では日本の図書館において広く使われている。