図書館報『青森県文化』終刊

1928年~1945年

1939(昭和14)年に創刊された青森県立図書館の月刊機関誌『青森県文化』は、6巻3号をもって終刊となった。

戦争による物資不足が深刻化するとともに、職員の応召・応徴が続いた時期でもあった。

「最近本館から二名の青年館員が応徴した。一名は老父と2人暮しの極めて寂しい家庭であつたが、突如明日出発と云ふのに今日の報せを得て少しも動ずる所なく立つ時まで黙々と自分の職場を守り、きれいに事務片付け整然と引継して別れて行つた。今一人は郊外から通勤してた青年であるが(中略)後継ぎの確定しない自分の仕事に後髪を引かれる思ひして送別の杯を交して行つたのに又突如帰つて彼の職場で営々と働いて居た。そして早く後任を見付けてくれと出立を一日伸ばし二日伸ばし今日もその職場を死守してる。今数日でお別れとならふが近頃この二青年から学ばせられた点は極めて多い」(岳洋「応徴館員」『青森県文化』1943年11月 5巻11号)