1946年~1952年
画像: 県庁舎内の県立図書館閲覧室(「県図書館に読書熱反映」『東奥日報』1946年2月16日)。
青森空襲により休館を余儀なくされた県立図書館の職員は、焼け残った書庫を事務室として図書館復興のために奔走していたが、ようやくこの日、旧県立図書館跡地(現在の県庁舎北棟付近)に建設された木造平屋建の県庁舎内で閲覧業務を再開した。
「青森県庁内、会計課の隣室に復活した県立仮図書館は五日から開館 毎日午前十時から午後五時までが閲覧時間である、何れも仮設備だけに簡素だが、雑誌五十冊、新刊図書六十四冊、戦災を免れた表紙が黒こげの五十一冊は特に目をひく、館外持出しは当分出来ないが旧図書庫の五万余冊は今整理中、毎日午後三時頃には三つ並んだ閲覧席が一杯になる景気である」(同上)
「戦災で傷ついた本の中から何とか利用に耐えうるものを持ち寄った、いわばその場しのぎの」(間山洋八『青森県図書館運動戦後史』間山洋八, 1970)再出発ではあったが、敗戦直後の社会的混乱と深刻な物資不足の中、心の糧を求めていた県民はこぞって県立図書館を訪れた。
当時の利用者は、後年次のように語っている。
「今の図書館から見ると閲覧室というには義理にも呼べない狭い部屋だった。学生たちがその大半の席を占めていた。それでも一冊の本を買うより、その日の食うことに追われていた時代だから、図書館の開館にはありがたくて頭が下がった」(同上)