新館1階完成

1953年~1964年

新町の青森県立図書館平面図1

画像: 『三潮』1953年6月号より、青森県立図書館の平面図。

県立図書館の新築工事は1949(昭和24)年の着工以来難航していたが、ようやく1階が完成し、木造平屋建の旧館から新館への移転作業を開始した。

「八日開館する県立図書館の引越しが二日から始まった。問題は三万六千冊の本をどうして運ぶかということでいろいろ案が出たが、結局あとで分類整理することを考えれば、一人々々で運ぶのが一番能率的ということになり、館員二十六名がお砂糖を運ぶアリよろしくの行列、一人一度で二十冊として往復三百メートルを千八百回歩かなければならない」
 「この分だとかっきり一週間はかかるそうだが、足かけ四年待ち望んだ開館の喜びにはかえられないとあって、館員はねじりはちまきでヨチヨチ歩きを続けている」(「テクテクとアリの行列で」『朝日新聞青森版』1953年6月3日)

新館1階には、児童閲覧室(11歳まで)・生徒閲覧室(12歳から19歳まで)・一般閲覧室(20歳から)のほか、アメリカ大使館からの寄贈図書を提供するために急きょ食堂を改造してアメリカ図書閲覧室が設けられた。

また、1946(昭和21)年11月の県庁火災後は県教育委員会学校教育課が使用していた「焼けビル」こと1929(昭和4)年完成の書庫も、再び県立図書館の資料を保管する書庫として使用されることとなった。