新館での閲覧事務開始

1953年~1964年

青森県立図書館ブックポケット

画像: 蔵書の見返しに貼られたブックポケット。

青森県立図書館は、ようやく使用できるようになった新館1階での閲覧事務を開始した。

当時としては珍しい開架式図書館の新館では、利用者が室内の書架から自由に資料を取り出して読めるようになり、館外への貸出は1人につき1冊7日間まで認められた。

「四年間の陣痛を経てやつと階下各室が完成した県立図書館は愈々きよう八日午前九時から開館する
 外装がまだ完成していないので一見牛の様に武骨な感じの外見だが正面総ガラスの扉を一歩入ると実に明るくいかにも新館らしい匂い。入つて右手の受附は全部ガラス張り、ここは館内案内と貸出し
 一般閲覧室は定員三十六名、学生室二十八名、児童室二十四名 閲覧室は壁も天井もカーキ色に腰板にあたる部分は藤色で涼しい感じ。蛍光管と共に窓は非常に大きく採光は全く申し分ない。このほかアメリカの図書の閲覧室もある。
 閲覧室にはごらんのようにすべて新しい書棚、机、イスが入つて閲覧方法はこんど変つてオープンシエルフになつたのが特徴。"読みたい本はどうぞ棚からご自由に"というわけ。しかし本を黙つて持つて行つたり切り抜きしたりする人はもちろんないでしようね?」(「県立図書館今日店開き」『東奥日報』1953年6月8日)