参考事務(レファレンスサービス)開始

1953年~1964年

新町の青森県立図書館玄関

画像: 1953(昭和28)年頃の青森県立図書館玄関(『青森県図書館関係写真集』より)。

「十七日から県立図書館にリファレンスワークが発足する。リファレンスワークというのは参考事務とか、一般考査とか訳されているもので、図書館が備えつけの資料によっていろいろな質問に答える制度。戦後国会図書館が米国の例をとり入れてはじめたのがわが国では最初のもので、その後神戸市立図書館に相談部の名前で生れ、今度青森で発足するのが全国で三番目である」(「リファレンスワーク(一般考査)発足」『朝日新聞青森版』1953年8月16日)

参考事務の担当職員は他の業務と兼任の2名のみで、参考図書を買い揃える予算もないため、「専門的知能度の貧困はわれわれの力ではどうにも解決するすべなく、苦慮困惑をかさねた結果」(石塚弥太郎「Reference Workについて」『三潮』1954年1月号)次の10名に顧問を委嘱した。

歴史: 成田彦栄、政治: 竹内俊吉、法律: 木村美根三、教育: 柿崎守忠、社会教育: 小野正文、自然科学: 和田干蔵、農林業: 松野伝、商業: 田沼敬造、美術: 小館善四郎、文学: 下山俊三。

なお、『三潮』1954年5月号によれば、1954(昭和29)年3月末までに受けた質問は574件で、うち県立図書館で解決したものが437件、国立国会図書館に照会したものが31件、顧問に照会したものは17件だった。