改装工事完了

1965年~1993年

1965年青森県立図書館平面図3階 1965年青森県立図書館平面図2階 1965年青森県立図書館平面図1階

画像: 『三潮』1965年10月号より、青森県立図書館の平面図。左上から順に3階、2階、1階。

1964(昭和39)年5月から行われていた改装工事が完了。

「いままで87.5平方メートルあった一般閲覧室は147.5平方メートルとなり,座席も68席が80席になった。また生徒閲覧室は105.0平方メートルであったものが194.5平方メートル,座席は64席が90席となり,児童閲覧室は,いままでの2倍になり,35.0平方メートルが70.0平方メートルとなったのを機会に,これまでのように児童だけを対象とした形を,親子が同じ場で読書するようなものとしていくこととなった。
 その他の施設としては,視聴覚室,資料展示室の新設と,3階展示室の拡張などによって,昭和41年度から本格的な活動を実施すべく準備している」(「昭和40年度における館内奉仕の状況」『三潮』1966年4月号)

併せて、郷土資料の複製・保存を行うために複写機とマイクロフィルム撮影機を導入するとともに、館内を通らず講堂に直接出入りできる外階段を設けた。

なお、県立図書館が来館者を対象として1963(昭和38)年に行ったアンケート調査の結果によれば、利用者の54.6%は生徒で、うち青森市内居住者83.1%、勉強部屋を持っている者65.8%、図書館の座席のみ利用する者65.1%であった(「利用者の動向」『三潮』1964年3月号)ため、生徒閲覧室の拡張について地元紙は次のように批判した。

「本県の場合まず不思議なことは、人口二十万の青森市に市立図書館がなく県立図書館がその肩代わりをしていることであり、今回、館の新築が行われることになっても、なお肩代わりを続ける姿勢を示し、市には全く図書館も、それに代わるものの計画もないことだ」
 「青森市は(中略)せめて児童生徒図書館などを設けて学習の便宜を図るべきであって、県立図書館が市内にあるがゆえに義務を怠る態度は見過ごせない。さらに県立図書館の新築計画であるが生徒室が一般室よりも広くとられ、児童室も設けられているのは、市の無関心な態度をいっそう助長するような印象を受ける。学力向上に資するため...というのであれば、学校図書館の充実を図ることが先決であり、座席利用ならば市内の二、三校の何教室かを開放することで足りる性質のものであろう」(「県立図書館と青森市の場合」『東奥日報』1964年6月29日)