第5回「光と風のプロムナード野外文芸館」優秀作品

短歌

・光りつつ幹さかしまに下る蟻

 夕映えながく今日終戦日

   田村三之助(青森県八戸市)

・陽光にしずくは氷柱をつたい落ち

 両手で受けんと幼手並ぶ

   高木淑子(青森県十和田市)

・石舐むる野あゆの尾鰭ひかりたり

 囮すばやくおくり出すべし

   畠山参冶(宮城県仙台市)

・征きしまま沙汰なき若駒らを憶ふ

 萌葱の牧の風光るみち

   八木田順峰(青森県三戸郡南部町)

・いのちへの光と思ふ肝移植の

 手術の窓は深夜を灯す

   斉藤純子(青森県弘前市)

・平和とは斯くもうつくし生きいきと

 山車曳く子らの光る汗拭く

   田村三之助(青森県八戸市)

俳句

・産近し光のような毛糸編む

   鈴木アヤ子(高知県高知市)

・地卵のシールが光る今朝の秋

   伊藤敏子(北海道札幌市)

・薄氷のやがて光のゆれはじむ

   立崎ゆき子(青森県十和田市)

・駒駆けて夏の光となりにけり

   若生まりあ(埼玉県川越市)

・真緑の光の中へ帰省せり

   山崎観音子(福島県いわき市)

・日の光紋白蝶を呼び出せり

   中本公(秋田県秋田市)

川柳

・無袋りんご太陽の子になってゆく

   藤本真喜子(宮城県古川市)

・ミラーボールへちらり鳥獣戯画光る

   多田幹江(静岡県静岡市)

・わんぱくを素直にさせる掌のほたる

   浜中もとく(青森県十和田市)

・無袋りんご太陽の子になってゆく

   棧舜吉(宮崎県宮崎市)

・母さんが一番光るマイホーム

   木村菜生美(青森県十和田市)

   

十和田市官庁街通り

平成14年建立

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