「きぬたの小道」句碑群


平成4年建立

五所川原市・金木町嘉瀬上端山崎
観音公園第2期 

19基

・残る虫鳴くとてほそし露仏の目

一戸耕雨(哲三)


・辛夷咲き永遠に鎮まる句碑の丘

沢田月歩(繁市)


・恐竜の来る息づかい水芭蕉

高橋けん一(健一)


・札のばし秋刀魚の青さ買ひにけり

会津正治(正治)


・玻璃越しに蜂さまよへり抜歯器具

山内清祐(小山内嘉ヱ門)


・豊の秋ここ村人のよき会釈

村田ひでお(秀雄)


・淡墨の筆おおらかに山笑う

山本れい(れい)


・草紅葉地蔵に眉のなかりけり

北川せつ女(セツ)


・ローカル線遮断機月を指したまま

山中よし江(よしえ)


・島渡る遠嶺は彩を重ねけり

葛西幸子(幸子)


・妻逝きて三十史や花の墓に老ゆ

斎藤重清(重清)


・観音山句碑の小路に花万朶

山中朝輝(朝輝)


・色もなく島もなかざる冬立木

浜田春嶺(君春)


・牧場に駒のいななき雲の峰

山中みさを


・人声に人影見えず夏立木

岩田しげみ(重美)


・一掬の清水御堂の灯をともし

泉谷てい女(てい)


・満天の虫がかなでるセレナーデ

小山内トモ子(トモ子)


・初とりや背戸の陽筋ひたりいる

山中牧童(敏一)


・青葉みちもどれば郭公啼いている

伊藤小子部(慶三郎)


・南の空に岩木の山を眺め
 北方遥かに権現の崎を望む
 ここ立山は嘉瀬文人憩の丘

木立民五郎

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