「きぬたの小道」句碑群


昭和59年10月28日建立

五所川原市金木町嘉瀬上端山崎観音公園

第1基 25基


・一葉をくるむ虫あり草紅葉

原田季岳(兼治)


・夏祭り摺り足そろう奴躍

坂田雑人(輝孝


・どしゃぶりのままに暮れゆく落ち葉かな

土岐石人(繁一)


・秋夕日 もじせいかくにひをまもる

阿部巽風(定一)


・松籟や並びて在す観音像

伊藤白泉(久雄)


・喜良市と金木一望稲穂波

高橋もとや(元弥)


・短日や常に揉み合う河口波

鳴海はじめ(一)


・青田梅縞たてて風泳ぎゆく

沢田一歩(薫)


・津軽野を見おろす春の桃地蔵

長内艸骨(誠治)


・焼網の焦げ目も味の初秋魚

須崎まさとし(正敏)


・老鶯やどの径行くも観音山

山中梵貝(芳市)


・熊笹の奥に幸あり山の秋

平井機炎(清)


・藁燃えて津軽野の秋昏れ急ぐ

三和篁村(満)


・花ごもり熱のこる児のつめを切る

水上善美枝(喜美枝)


・菊のかおり 心のかおり豊かなり

山中天小人(忍)


・観音堂郷は夕霧薄墨絵

泉谷山灯子(幸視)


・石仏に触れつはなれつ夏の蝶

小野青炎(久五郎)


・鳩翔びて日の出の夏を切り開く

小倉私月(秀高)


・金屏風倒したる如稲の秋

斎藤竹灯(義雄)


・山の子山の明るさ梅咲けり

松川青雅(秀満)


・花は花詩は詩なり秋のいろ

白川さつき(須美子)


・斧打てばそこより朝霧湧く如し

斎藤節村(弘微)


・名月や笑み丸き吾子三人かな

小山内昭人(繁四郎)


・陽炎に盗まれそうな児の眠り

沢田一耕(政孝)

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